![71SZxTg3X-L._SL1063_[1]](https://livedoor.blogimg.jp/mansemat/imgs/9/9/99d7aa9a-s.jpg)
監督 | アレクサンドル・アジャ |
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脚本 | アレクサンドル・アジャ グレゴリー・ルヴァスール |
製作 | アレクサンドル・アルカディ ロベール・ベンムッサ |
出演者 | セシル・ドゥ・フランス マイウェン フィリップ・ナオン |
フランス産流血ホラーといえば『マーターズ』『屋敷女』そしてこの『ハイテンション』を代表としていいでしょう
他に比べゴア度は高いものの、いかんせんストーリーの整合性が・・・
最初のカウンセリングシーンらしきものを見ると勘のいい方は、察しがつくかもしれませんが、それにしてもね、
セシル・ド・フランス演じる主人公マリーが実家へ帰る友人アレックスに、同行するところから始まります。楽しげな旅程。道はどんどん田舎に入っていきます。
若干斜にかまえたような、キャラクターの主人公。その後の展開を考えるともう少し美人でもいい友人
まずこ汚いトラックの、こ汚い親父が切断された女の頭を使い、自慰行為にいそしむシーンがはさまれます。
別の意味で部屋でくつろぐマリー(シャワーを浴びる友人をのぞきながら)
そこへいきなり招かざる訪問者がやってきます。まず父親が対応。犬とともにかみそりで惨殺。おまけに箪笥で首を切られます。
次は母親は執拗にかみそりで惨殺。キャビネットに飛ぶ血が生々しいです。キャビネットに隠れたマリーの目の前でです。この辺の視点の取り方はうまい。
そしてアレックスを誘拐し引き上げる殺人おやじ。まあここでなんでアレックスだけ殺さなかったのか。冒頭の自慰シーンがある意味ミスリードになっています。
その後殺人おやじを追うマリー
途中おやじはある酒屋へ。影に隠れながら追うマリー(このシーンも落ちがわかるとあれーなんですが)そして酒屋の主人を斧で一撃。
さらにあとを追うマリー。途中車が破損しても、執拗に追うマリー
そしておやじとの死闘のあと、アレックスを救おうとするマリー・・・
ところが、ところがですよ、この殺人おやじ、実は主人公マリー。まとめると、アレックスに狂った愛情をいだいたマリーがじゃまな家族を皆殺しにし、自分のゆがんだ愛を受け入れてもらおうとするストーリー。凄く分かりつらいけどマリーも親父も一人二役、どちらもマリーなんですよ。証拠に酒屋の防犯カメラに店主を殺すマリーの姿が・・・
アレックスはマリーを極度に恐れます。『あんたが家族全員を殺したんじゃないの友達だと思ってたのに』『友達だからあなたを助けた(殺さなかった)じゃない』パーフェクトサイコパスです。
拒絶されたと知るや、さっきとどめを刺したはずのおやじの人格が甦ります。
回転のこぎりをもってアレックスを追うマリーいや変態おやじ。アレックスは車を運転していた男に救いを求めます。反撃むなしくおやじに惨殺される運転手(迷惑なヒッチハイカーだな)
全てを断念したアレックスはマリーを受け入れます。(このときはマリーの人格です。あーややこしい)しかしそれは演技、背中からマリーをナイフで刺しとりあえずハッピーエンド(アレックス的には)
その後病院に収容されたマリー、冒頭のシーンへと戻ります。
とここで、普通こういう作品なら伏線もふくめ、どこか整合性があるものだけど、それがない。人格が分裂しているとしても、直接対決があったりとか、腑に落ちない。
もうここまでくると『妄想』で落とすしかないんじゃないかと。だからこその最初のカウンセリングシーンなのですが、似たような人格分裂作品、韓国映画『箪笥』でもここまで乱暴じゃなかったような・・・
ただ感心するのは、女優の撮り方の日本での違い、主人公は本編では猿顔でけっして美人とはいえないんですが
インタビューを見るとものすごくチャーミング。なんでも本国ではアイドル映画ばかり出演していたとか。日本だとこんな役者に汚れ役やらせると、事務所からすぐクレームきそう。まして、殺人鬼役・・・
いろいろアラはあるもののおもしろい作品です。あまり深く考えずに見るのがいいかも
2003年作品






















