メジャーなものから、国内未発売作まで
古今東西のグロ映画を紹介していきたいます。
ネタばれ含みますのでご注意願います。

愛しのジェニファー


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■「愛しのジェニファー」 Jenifer
監督:ダリオ・アルジェント
出演:マーク・アッチェソン
2007公開

ストーリーは一人の女がある男に殺されかけているのを、主人公の警官が男を射殺、女を救うところから始まります。その女の名はジェニファー
化け物と言っていい造作に絶世の体。そのアンバランスさに嫌悪を感じつつ、どこか捨て置けない感情がわき、自宅で保護することを決めます。

当然家族は大反対。追いださないなら私が出ますとばかり、妻は子供つれて家を出ようとします

化け物なのは見た目だけかと思ったら・・・

後年のアルジェント作品は映像美より、グロ要素に比重が置かれいまいち評価されない傾向にあるのですが、自分的にはこれ好きです。

確かにとんでもない造形のジェニファーが、猫や人間を食いまくるといった
酷いグロ描写が全編を占めているのは事実ですが

裏テーマの破滅に収束する愛という、自分でコントロールできない純愛が根底にあると感じるからです。

これは竹宮恵子氏の『風と木の詩』に共通する、切なさがあると思います。(といってもあちらは絶世の美少年ですが。BLです。)

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ジェニファーを救った時点で死亡フラグがたってますが、途中あの古典の名作『フランケンシュタイン』のオマージュをはさみ、破滅へと一直線にストーリーは進みます

非常に好きな作品ですので、ふざけないでみましたが、今後ツッコミどころを感じたら書き直してみたいと思います。

愛は外見じゃないなあ。だからこそ究極の愛なんですが。特に感じたのは主人公が職を捨て、家族を捨てジェニファーと田舎へ逃げ込み、小さな商店に職を乞うシーン

まさしく働くことに向かないジルベールを働かせ、それをきっかけにジルベール自身も関係も壊れていくさまが被る。(風と木の詩)

そしてそれしか結末かなかったように手に負えなくなった主人公がジェニファーの殺害を決意。そしてストーリーはループします。

こういった破滅しかない異形のものとの愛は『岡本倫』の『エルフェン・リート』にもつながる普遍的なテーマで、小品ながら傑作です。




予告編
     
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インプリント~ぼっけえ、きょうてえ~




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監督 三池崇史

脚本 天願大介

原作 岩井志麻子

『ぼっけえ、きょうてえ』

製作 井上文雄

ジェニー・ルー・トゥジェンド

ローレン・ワイスマン

製作総指揮 Steve Brown

Morris Berger

John W. Hyde

Mick Garris

Andrew Deane

Keith Addis

出演者 工藤夕貴

ビリー・ドラゴ


離れ小島に存在する、浮世離れした遊郭。
そこへ向かう異国人(ドラゴ)も乗船。彼の目的はある女郎を身請けすること。
島へ向かって船を進めるうち、孕んだ水死体に遭遇。船頭がむりやり舵で沈める。
堕胎しようとしておぼれたのか、自殺なのか。


そして小島へ到着。


異様な風体の門番が睨みをきかす中、奥へ入っていく。
頭を鶏風に結い、鶏の鳴き真似をする元締め、マメ山田。
鼻が欠落していることから梅毒にかかり女郎を引退したものと思われる。



日本語なまりの英語で岡山弁の雰囲気表現したかったということもあり、
日本語英語で案内するマメ山田。



数いる女郎の中に一人だけ異質な女が一人。それが工藤夕貴演じる主人公。 


異様に歪んだ顔のおかげで女郎の中でも浮いており、恐らくあまり客も取れない様子


件のドラゴは彼女を指名。原作通りの寝物語が始まる。



身請けするはずの小桃はもうすでにその遊郭を去っていたが
そんな小桃だけが、その女郎によくしてくれたという。


しかし根岸季衣の翡翠の指輪がなくなったとかで、小桃は盗みの疑いをかけられ
ひどい折檻をうけることになったと話し出す。


歯茎、爪の間に針を突き立てられ、天井から吊り下げられるという
これ以上ないきつい折檻の末、小桃はやってもいない盗みを白状する。
その挙句、小桃は自害してしまったのだという。


しかし女郎の語る話は二転三転。
挙げくドラゴの愛しの小桃は自殺ではなく女郎が手にかけたと白状しだす。

指輪を盗んだのも、小桃を殺したのもすべて姉の脅しによるもの。

そして女郎の姉が現れる。それは妹の頭に寄生し顔を引っ張りあげる奇形児だった。
双子で生まれたが、その姿は不気味なものだった。


その正体に怯えたドラゴは発砲し、女郎を射殺してしまう。
祖国では妹も殺していたらしい。小桃の身請けの目的も本当はなんだったのか。



女郎の赤い髪、人買いの水色の衣装、色とりどりの風車等、狂った色彩群が
三池監督の作り出す映像美を際立たせる。。


蛇足だが折檻シーンが残虐過ぎて放送されなかったの説があるが、

女郎の母親が堕胎専門の産婆で生計をたてており、
堕胎した胎児を川に流すシーンが問題だったたのではないかと思われる。 


2006年作品




 

    


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カリギュラ

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『カリギュラ』

監督 ティント・ブラス
主演 マルコム・マクダウェル

ピーター・オトゥールがだまされてポルノ映画に出演させられたことで、制作サイドを訴えようとしていたとか。マルコムが鷹を見てるシーンと思ってたら、レズシーンを見てるシーンに差し替えられてたとか、カリギュラ効果とか、ウィキでちょっと見りゃわかることはすっとばして

まずこれはコメディ映画ですか???カエソニアと再婚し、離婚するとき邪魔になった前妻がベッドごと運ばれていくシーンとか。売春船のシーンでいやいやなはずの奥様連中が意外とノリノリとか

笑かしにかかってますよね、これ

まあ、めんどくさい上司の下で働く亭主の奥様は当然欲求不満
現代にも通じるリアリティがいかにもポルノ畑の監督のセンスのもと爆発してます。

そこに、『時計じかけのオレンジ』同様、悪行三昧してもどこか憎めない、マルコムのキャラも手伝って、最期の暗殺シーンでは変に同情したりする自分がいる、今日この頃


ものすごく好きな作品で4枚組インペリアルボックス果ては輸入版ブルーレイまで買い込む始末。


私見ですが、『ソドムの市』『ネクロマンティック』『エルトポ』などはレンタルで借りてストーリーを頭に叩き込み、買うのは無修正輸入盤を所有するのが
絶対いいと思ってます。『ネクロマンティック』なんざ国内BOXが出ると喜びいさんで買ったもののモザイクだらけでなえた経験があるのでなおさら。


実際は作り物、ないしは見えてない場面がほとんどなんで、
私に言わせるとモザイクなんかフィルムの傷ですよ、ほんと。ただし、これに関してはガチポルノです。(モザイクあるくらいがちょうどいいかも)

 

さてモザイク談義はこれくらいにして


長年言いたかったのはこれ
主人公が最愛の『妹』を失ったショックから、職務放棄をした挙句、街で放浪した際に影響を受け、元老院に『おまえらの妻と娘を集めて売春宿を経営しろ』との無茶ぶり(今始まったこっちゃないけど)


そしてその会場は船上という設定であがりまくった、マルコム・マクダウェルとヘレン・ミレンが
先端で手を広げて象徴のように立ち上がる


といえば勘のいいかたは、お分かりでしょう。
そうまんま『タイ×ニック』なんですよ。絶対ジェームズ・キャメロン監督はこれを見ずしてあのシーンをとったとは思えないんですよ。妄想?でも最初に見たとき思わずあっーてなっちゃいましたよ

 

並べてみました、そっくりですよね!

1980年作品

タイタニック
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一応両方とも船の上。

大雑把に筋書いちゃうと
天下とりたいカリグラ(わざとです)フライパンで前の皇帝ぶんなぐって後釜に収まり、好き放題した挙句、殺されちゃうお話です。・・・3時間近い作品なのに以外と書くことないな。

わりと軽視されがちの作品だけど、ローマ帝国全盛期の退廃ぶりなんてもっと酷かったらしいので、歴史ものとしても忠実な出来では。あの知名度の低い、ブルギニウスの丸薬もでてくるし。満腹後に再度食うための嘔吐薬ね

予告編をとりあえず。本編の要素なんざほぼ伝わらないほど本作は濃いです。

 


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暴行列車


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ブログで取り上げるにあたって久々にみなおしました。自分にとってクリスマス映画といえばこれと屋敷女と食人帝国なので、冒頭の華やかな町並みのシーンが非常に叙情的でいいです。クリスマスで浮かれる人々。サンタクロースのいる光景。そこに伏線のようにチンピラがひったくりをするとエピソードをはさみます。音楽がエンリオモリコーネ。緩急のつけかたががうまいです。

  

唯一の難点はダリオアルジェント監督サスペリア出演者大集合というとこでしょうか。香港映画にもよくありますが、昨日の友は今日の敵のように役者の使いまわしが目に付く。イタリアって役者の絶対数が少ないのかなあ。汽車乗るまではクリスマス休暇を楽しみ、実家に帰る二人と非常に雰囲気がいいんですよ。

 

キセルをするチンピラ、列車の中でポルノ写真をばらまいて、白眼視される貴婦人、さらに女の子二人で繰り広げられる列車という密閉空間。(ちなみにチンピラはサスペリアの盲目のピアニスト、フラヴィオ・ブッチ、貴婦人はサスペリア2の占い師、マーシャ・メリルそして被害者の女の子の一人はインフェルノの冒頭にしか出てこない姉、アイリーン・ミラクル)これだけ他の乗客でごった返しているにも関わらず閉塞感がすごい。途中で汽車乗り換えてるからか・・・

 

最初はおのおの別々に行動しています。

マーシャメリルはいかにもハイソな方たちと歓談中、チンピラはキセルしているため、乗務員から逃げまくり。女の子二人はたばこを吸いながら歓談。家に帰りたくないわ~あの男の子がかわいいわ~といかにも最近(いつの時代も)の娘。(このキャラ設定で主役がはれるということはイタリアの倫理感ってアメリカとちょっと違うかも)とはいえこの辺も原点の『鮮血の美学』のオマージュ?あちらも薬遊びしに行ってひどい目



完全に接点がないはずだったはずの三組。これが絡んでいきます。

マーシャは淫乱おばさんの本性発揮(こいつが悪の親分というかトラブルメーカー)突然の汽車がトラブル発生。そこで夜中に別の列車に乗る替えることに・・・

これが地獄の一丁目、チンピラの吹くハーモニカの音がいやらしいです。個室に席をとるものの、淫乱貴婦人とチンピラが乱入。ここからは非常にかわいそうな状態の幕開けです。

なんでも監督女性の陰部を切り取るというエピソードに非常にショックをうけ、
この作品の元ネタとしたそうです。(だからといって、なにもナイフで刺さんくても、よりによってまじめなほうに・・・)

そして、無関係なおやじまで乱入して、アイリーンをレイプ。友人は失血死、精神状態極限の彼女は下半身丸出しで逃亡しますが、逃げ場所がないと察したのか、窓をあけ転落死。あげくもうひとりは、証拠隠滅とばかり、荷物と死体を窓から投げ捨てられる

もういきあたりばったり過ぎ。もちろん指示してるのは淫乱貴婦人

惨劇の合間合間に両親の社交ダンスシーンが挿入されるので、不快度MAX

二人が死んだことでチンピラの一人は、大いに後悔するのですが
貴婦人は誰のせいでもないと金を渡します。っておめえだよ
ちなみにもう一人は我関せずと、ターコイズブルーのネクタイを締めてます、と実はこれ出発のとき、プレゼントにターコイズブルーのネクタイをお土産に買ってたから、ビックリしないでね、と事前に母親が電話で聞いていた代物

これがきっかけで怪しまれます。

元のねたと同じ流れで娘の実家に招待されるドロンジョ他2名。淫乱は写真で実家と悟ります。

大ボケのネクタイとタレコミによりこいつらがって気づかれます。って垂れ込んだの途中レイプ参加したおやじだし。後悔からって風でもないし

そこでおやじさん怒り爆発。まず一人は刺殺、ひとりはライフルと復讐を果たします
ただここの描写全体に比較すると非常に短い。だからレイプリベンジって分野にもならん感じ。おまけに貴婦人、無罪放免。

不快度は元ねたになった『鮮血の美学』より上かもしれません。


奥様は復讐の暴力を否定するので、カタルシスのかけらもありません。 

1975年作品





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暴行列車 HDリマスター版 [DVD]
マーシャ・メリル
Happinet(SB)(D)
2012-04-03



グロテスク

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監督・脚本:白石晃士


出演:長澤つぐみ
2009年作品


さてまたイギリス発禁、日本映画『グロテスク』。AV女優の『長澤つぐみ嬢』の主演です。(彼女の体当たり演技はいつも感心させられます。ホラー映画監督に愛させる所以かも)。普通にデートを楽しんでいたカップルが頭のピーな医者に拉致監禁されて、ひどい目にあわされるだけのストーリーです。ほんとそれだけ


なんか昨日も書いたな似たようなこと

 


車で獲物を物色する変態医者。カップルに狙いをつけて、ハンマーでドカッ


その後拉致されて縛りつけられたカップルが。理不尽な質問を繰り返されます。演劇口調でわけのわからん質問されます。
 
そして場面は一転。二人のデートシーンの回想。まだ付き合ってもいないようです。私のために死ねる?初デートでこのセリフ。つぐみお嬢様、少しヤンデレです。

とまた場面転換、それから暴力が始まります。

 

ケーキごときで感動するような男に、セックスの回数なんか聞かれたくないです。彼女のために死ねる?このセリフ、出演者全員の口癖らしい。

まず男のズボン脱がすところから始めます。そしてつぐみ嬢にエロ行為。ちょっとこのへんしつこい。

男といえばふぐり串刺されるし、指切ってネックレスにされるわ、

 

正直初見はあまり印象よくはなかった。ギニーピッグから40年、この程度のものしか作れなかったのかなあと、でもよくよく見るといろんな意味でパワーアップしてます(ストーリー以外

 

ギニーピッグが部位だったのに比べてこちらは全身の引きのシーンが格段に多い。たとえば、手首切断するなら手首だけつくりゃいいんたけど、こちらは引きの全身、予算が違う。

 

ケーキ食いながら暴力の限りをつくした犯人を一応感動させたらしく、とりあえず救ってもらうことに『身体×害者になっちゃったよね、ははは』・・・笑ってる場合じゃないのだが、いろんな意味で


感動させてくれたお礼に、ここを出してやる。慰謝料を払ってやる。警察に自首するとか、ここまでされて能天気に信じるバカップル

 

そして気がつくと地獄再び。さらに暴力はエスカレートってさっきまででも

やりたい放題でしたが男の腹を割いて腸をひっぱり出し、あげく『女のところまで届くように腸を切って女を救え』とむちゃぶり。『まあ命は助からないだろう』と言ったとおり男は死亡


つぎはつぐみお嬢様と一対一

ただ、つぐみ嬢が殺されるトリガーとして、彼女が、ピーな医者を挑発するのですが、その脈絡がわからない。なぜ母親を知っていたのか、わきがの立ちんぼだそうですが全く伏線がないのでちょっと唐突(あるとすれば安息時のわきががひどいという会話のみ)

 

首をはねたツグミ嬢に首をかまれ、相打ちかと思わせておきながら、男は無事でバカップルの墓参り、よくある主人公無双・・・。

ラストは新たないけにえに襲い掛かるシーンで終わります

ただ画像スキャンしてみると思ったほど、見どころ場面がとれなかった。動きが激しくてやってることがダイレクトにわかる静止画がないのね。
ちなみに静止画中、剣山みたいのは串刺しふぐりです。あえて入れました!!!



 


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ふぐり串刺し(一押しなのか???)
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