片腕マシンガール

八代みなせ (出演), 亜紗美 (出演), 井口昇 (監督)

アメリカ資本で日本人監督がメガホン取る企画、
『東京衝撃シリーズ TOKYO SHOCK!』の第一弾。
子供と動物さえ殺さなければ何を撮ってもいい、との条件で制作された作品

監督はAV畑出身の井口昇
もともと『クルシメさん』に代表されるようなカルト作品を主に撮っていたが
この作品はエンターテイナメントに徹したことにより、
氏の最高傑作となり得たといえる。
随所にアメリカ人が喜びそうな、忍者、寿司、天ぷら等
日本の代表的な素材がちりばめられている。

八代みなせ演じる主人公アミは殺人容疑をかけられ自殺した父親を
持ち、弟ユウと二人で助け合いながら生きている。
だがユウは友達のタケシとともにヤクザの息子がリーダーのグループに
イジメ殺される。

地面にたたき付けられたユウの死体にしがみつき
号泣しながらいじめグループへの復讐を決意するアミ。
グループの一人の家に乗り込むアミだが、返り討ちに合い片腕を天ぷらにされてしまう。
しかし卓越した運動神経を活かし、
少年の首を切断、母親を刺殺し父親に息子の血を浴びせる

次に向かったのはリーダー格の少年の自宅
忍者の末裔であるヤクザの豪邸である。

息子に不始末をしでかした板前の指を切り
寿司にしたものをむりやり食べさせるという
蛮行を行うほど息子を溺愛している。

うまく侵入に成功したアミだったが捕らえられ
ヤクザの父親に誤って腕を切断されてしまう。

ヤクザの一人を殺しなんとか逃げ帰り、山道を歩くアミ

監督が市川崑のようなシーンが撮れたと言っても
誰も理解してくれない、とこぼしていたが、
『悪魔の手毬唄』の冒頭の老婆のシーンに見えなくもない。

逃げだし道端に倒れていたアミを救ったのは
ユウ同様にいじめによって息子タケシを失った若い自動車修理工の夫婦である、
杉原スグル、ミキ夫妻だった。

そのスグルが作った腕用のマシンガンを譲受け
アミは仇と闘うこととなる。

敵の中では、仇を討たれた遺影を胸につけ
戦隊ヒーローものの扮装で闘う遺族集団がシュール

ところでヤクザの妻が最後に闘う際の武器
ドリルブラ

海外では、非常に人気で個人の海賊版サイトが
存在するとか。

女の子を可愛く撮ることに長けている井口監督
全編を通し、ヒロイン八代みなせが非常に魅力的である。

2008年作品